大人になるって難しい!?
春、卒業の季節です。
琉リハでも先日卒業式が行われ、多くの学生たちが巣立っていきました。
出会ったときは、まだあどけなさが残るような表情だった学生たちでしたが、様々な学びを経て、卒業式の日には随分と大人っぽくなっていて、成長を感じることができました。
スーツや袴姿の卒業生の晴れやかな姿を見て、頼もしさを感じるほどでした。
これから社会人として頑張るみんなのことを、応援していきたいなと思いました。
タイトルにも挙げていますが「大人になる」ってどういうことでしょうか?
法律が変わり、18歳で成人を迎えるようになりました。
子どものころは「早く大人になりたいな」なんて考えたことがある人もたくさんいるのではないでしょうか?
自分もその一人です。
大人になったら好きなことができるから・・・なんて思っていましたが、最近では、子供の頃を懐かしむ気持ちになり「子どもの頃は良かったな」なんて思ったりもします。
辞書で調べると「大人」とは「十分に成長した人、成人」「考え方や態度が十分に成熟していること。思慮分別があること」と記されていました。
ちなみに「子ども」とは「幼い者、年齢のいかない者、親がもうけた子」とされていました。
「大人」と「子ども」を比べると大人には考え方や態度の面も含まれていることが分かります。
ちょうど琉リハに入学してくる皆さんは、成人を迎えたばかりの方も多く、ちょうど「子ども」から「大人」の変わり目の時期を過ごされることと思います。
高校生のころよりも、行動範囲や交友関係も広がり、新たな世界に触れることも多くなってくるでしょう。
アルバイトをして自分で使えるお金が増えたり、20歳を迎えると、お酒やたばこも許されてきたりします。
このようにある程度年齢を重ねることで、社会的には「大人」として取り扱われることになります。
20歳になったころには、なんとなく自由を手に入れたような気がして「大人になったな!」とちょっぴり嬉しい気持ちになったことを覚えています。
自分は卒業後、本当の意味での「大人」は、もっと違った意味であることに気付きました。
働き始め、仕事を誠実にこなす先輩の姿を見て「大人のカッコよさ」や、悩んでいるときに相談に乗ってくれることに対して「大人の包容力」を感じたりしました。
時には一緒にお食事に行き、おいしいお店でごちそうになったりして、大人の嗜みについても教わることもありました。
周りにいる素敵な「大人」の人を見て、「自分もあんな風になりたいな」と思って、真似していくことで、自分の思い描く「大人像」に近づけていっていたなと思い出しました。
ちょっと背伸びをして、かっこつけることも大人になる過程で必要なスパイスかもしれないですね。笑
しかし、今、自分が思う「大人」は、辞書に載っている「考え方や態度が十分に成熟していること。思慮分別があること」という言葉により近い考えになってきました。
特に「分別がある」ことの大切さを強く感じています。
分別とは「道理をわきまえていること」「物事の善悪が分かること」だそうです。
正しいことを判断し、行えることこそ、本当の大人であると思います。
この言葉からだけだと、正義の味方?みたいな雰囲気も感じてしまいますが、そうではなく、社会で求められている当たり前のことを当たり前に行えることが基本になるのではないでしょうか?
「約束やルールを守ること」「心配や迷惑をかけないこと」など、実は子どものころから大切なこととして教わってきたことを実行できてこそ、真の大人なのではないか?と考えています。
琉リハは、医療・福祉の専門職として働くためのたくさんの知識や技術を学べる学校です。
学生の皆さんには、本当の意味での「大人」になっていってほしいなと思っています。
対人援助職として医療・福祉現場で働くために必要なことは、専門的な知識、技術はもちろんですが、最も大切なことは「信用・信頼」であると思います。
あるタクシーのリアガラスに「腕よりハートでハンドル握っています」と書かれたシールが貼ってあるのを見たことがあります。
まさにこれだと思うんです。
いくら知識や技術があったとしても、心が通っていないと対象者から信用・信頼は得られないと思います。
約束を守ることもですが、思いやりや気遣いが出来ることも「大人」としての大事なことだと思います。
先日の卒業式である学生が「これからは女磨きを頑張ります!」とコメントしてくれました。
琉リハで学生として過ごす時間が、皆さんにとっての「人間磨き」の時間になり、素敵な大人になってくれるよう教員一同「大きな愛」で関わっていきたいと思っています。
応援しています♡