2021.04.07 (水) ブログ
脳とやる気について
皆さん、こんにちは!本日の担当は作業療法学科です。
4月は新年度のはじまりですが、作業療法学科では新入生を迎えて、これまで以上に学習習慣を高めるべく様々な仕掛けや工夫が我々教育再度にも求められます。
そこで、本日のテーマは「脳とやる気」について説明させていただきます。
皆さん昨今のコロナ禍の影響で、時間と場所(空間をとる、距離を離してして保つ)の使い方が変化したことで、集中して仕事や勉強に集中できなくなった人もいるのではないでしょか?
脳科学の観点から、「脳とやる気」について皆様に紹介したいと思います。
はじめに、「やる気の脳」について説明します。
「やる気の脳」に関与する部位は脳の奥にあります、線条体(尾状核と被殻)と側坐核で脳内の神経ネットワーク(以下、ネットワーク)を築いています(図1参照)。
大脳から神経線維がネットワークに伸びていますが、特に前頭葉からの神経線維が多いのがわかってきました。前頭葉とは人間の行動や行為(目的があるもの)情報をコントロール(制御)しています。そして、これらの情報をネットワーク内外の神経細胞に情報を伝達することで、「価値判断や動機づけ」に重要な役割を果たしています。
また、ネットワークの細胞体には中脳からドーパミンが放出されています。
大変、興味深いのが、中脳ドーパミン細胞の多くは、予想外に嬉しいことがある時だけ一過性にドーパミンがたくさん出ます。しかし、予想通りに嬉しいことがあった時には増えません。
そして、嬉しいことがあると予想していたにもかかわらず、その期待が外れてた時には一過性に低下します。
このように中脳ドーパミン細胞は、実際に起きた結果と予想との差を判断して、ネットワークに伝達しています。
ドーパミンの放出によって脳は快感を生じます。その行動や行為の結果がドーパミンの増減に影響を与え、生活環境や経験の違いに応じて関連情報がネットワークで区別され、、やる気が出る行動と出ない行動に区別される脳の仕組みがあると考えられています。
では、「やる気」が出る行動には報酬としてのドーパミンの働きや量が関与することは分かったと思います。報酬の経路には2つが想定されており、自己外から何かを授かる(褒美としての物品)といった外的報酬と、自己内であれがしたい、できるようになりたいといった内的報酬行動に分けられます。
脳科学の研究で、外的報酬がもらえなくなった場合には、やる気が低下することと、内的報酬(自己目標をもって達成する行動)は安定していることが分かったのです。
このような脳科学の結果から、自己内の内的報酬行動を高めることがやる気スイッチを押すことになるわけです。従いまして、自己目標を今のレベルから少しだけ高めて設定し、できる(できた)経験を積むことと、行動を習慣化する(毎回、取り組むにはエネルギーが必要ですので、おっくうになります。そうならないためにも習慣化が楽に取り組めます)ことが大切です。
その環境を作ってあげるのが教師や周りの家族の協力による環境づくりになりますので、個々の個性と能力を高められるよう内的報酬系を探して伸ばしてあげたいと思います。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。