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2021.07.05 (月) コラム

保育士に求められる専門性とは?

保育士に求められる専門性とは?

保育士の仕事とは?

保育士の仕事と聞くと子どもと遊ぶことを想像する人が多いのではないでしょうか。

 

私が実際に保育園で保育士として働いていた頃、園児たちに「先生の夢は何?」「どんな仕事をするの?」と何度も聞かれたことがあります。

 

それくらい子どもたちと同じように夢中になって遊んでいたと言えばその通りなのですが、子どもたちも思うように、世間のイメージは保育士=子どもと遊ぶことなのだと思います。

 

しかし実際は子どもと遊ぶこと以外にも様々な仕事があり、専門性も必要になります。

 

 

保育士の主な仕事

・健康状態のチェック

登園してすぐに、顔色や身体に傷がないかなどを確認します。いつもの様子と違うところがないか、少しの変化も見逃さないよう毎日確認を行います。

 

・保育園内の安全、清潔確保

子どもが安全に過ごせるよう遊具やおもちゃの点検をしたり、快適に過ごせるよう掃除をして清潔を保ちます。

 

・保育指導計画の作成、1日の活動を記録する

子どもの心身の発達を促し、社会性や基本的な生活習慣を身につけることができるように、どのように保育を進めていくかを考えることも保育士の仕事です。

 

・保育園での活動や行事の準備

日々の活動や毎月のイベント、運動会・発表会などの行事など、事前に準備することがたくさんあります。大きな行事になればなるほど準備の時間も必要です。保育士みんなで協力して準備をしていきます。

 

・保育室内の壁面装飾作成

季節を視覚や雰囲気から楽しむことができます。また、子どもたちが製作した作品を飾ることで、年間を通しての子どもたちの成長を感じることもできます。

 

・連絡帳の記入

保護者と対面で会話ができない日もあるため、子どもの1日の様子を知らせる連絡ノートやお便り帳の作成も保護者と保育士を繋ぐ大切なものです。

 

・登降園時の保護者への連絡

保育園では朝から夜まで長い時間過ごします。子どもが保育園でどのように過ごしているのか、保護者に伝えることはとても大切です。様々な連絡ツールを通してコミュニケーションをとることは欠かせません。

 

・保護者からの子育て相談にのる

保護者の中には初めての子育てに悩んでいる人もいます。子どもを育てるプロとしてアドバイスをすることも重要な仕事です。保育士が保護者の相談に乗ることは、保護者にとってだけでなく子どもの安全で健やかな生活にも繋がります。

 

・地域との連携

集団生活を通して社会性を養うことができるようにするため、保護者や地域の方とのイベントを計画したりして、子どもたちの社会性を育むサポートをします。

 

 

子どもが育つ上で大切なのは「人的環境」と「物的環境」

上記でも述べた通り保育士が行う仕事は、子どもに対してだけでなく保護者に対してや園の環境、地域に対しても多くあります。保護者や園に対して働きかけることは子どもの成長に繋がります。

子どもと遊ぶ以外にも保育士は様々な方向から保育をしているのです。

 

 

現代は核家族化や近所付き合いの減少などにより、子育ての悩みを相談することが難しい環境になっています。

保護者が子育てに悩んだ時、一人で抱え込んでしまうことによってストレスになり、ストレスから子どもへの暴力や育児放棄などの虐待に繋がる場合もあります。

保育士がそういった保護者を援助することはとても大切なことなのです。

 

保育園で子どもを保育するというのは、ただ子どもたちを元気に育てるということではなく、社会性や身体・精神を発達させることです。

 

保育園には、「保育所保育指針」といった、厚生労働省により定められているものがあります。その中に「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」というものがあり、保育士は日々の遊びの中でその10の力を子どもたちが身につけられるように考えながら保育をしています。

 

 

 

あそびの「発展」と「展開」

例えば、園庭の草や花などの植物を使って色水あそびをする場合。

 

 

「きれいだね」「すごいね」と褒めることで、子どもは嬉しい気持ちや、自信を持つことができます。

褒めることは大事なことですが、保育士に求められることは子どものあそびを「発展」させることです。

 

「このお花はどんな色になるかな?」「どうやって作ったの?」と声をかけることで、子どもは友だちの色と比べたり、色水を混ぜて色の変化に気付いたりすることができます。遊びを「展開」すると、子どもの想像力や自発性を高めることができるのです。

 

保育士に求められる専門性とは?

保育士に求められる専門性とは、簡単に言うと保護者の相談にのったり、環境を整備したりする「援助」と、子どもと接しながらあそびを「発展」「展開」させることです。

 

保育士は、この「援助」と「発展」「展開」の専門性を常に働かせ、援助の質を向上させながら保育をしています。保育実習に福祉施設実習が含まれているのはこの「援助」の専門性を養うためでもあります。保育士は子どもと遊ぶだけではなくこういった役割もあるということを知っていただけたでしょうか。

 

これから保育士を目指す人は、子どもと遊ぶ以外の様々な働きについても学んでいきましょう。

 

 

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