2022.05.18 (水) コラム
あなたの子どもは泣いて登園していませんか?5分で行う解決法
毎日、誰にでも朝はやってきます。朝はバタバタ忙しい…そんな人も多いのではないでしょうか。そんな忙しさの中、子どもが「学校に行きたくない」と泣き出してしまう。
あなたはどうしますか?
「泣かないで」と言って優しく関わりますか、それとも「保育園に行きなさい」と子どもを叱り、登園させていますか。朝の忙しさの中、子どもの話をゆっくりと聞ける親は少ないと思います。それって本当に子どものわがままなのでしょうか。
【母子分離不安】という現象があります。
主な症状として、母親と離れなければならない場面になると不安になり、体調不良や、思った通りに行動できなくなるなどが見られます。就学前の幼児の登園しぶりや小学校低学年児童の不登校の原因として知られています。また、乳児期に見られる、抱っこしていると眠っているのに、布団におろすと起きて泣き出す、などの行動も母子分離不安の一種と言えます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、母親とのスキンシップ等によって愛着を深めていきます。それ故に母親から離れることで、母子分離不安が起こるのは至極当然のことと言えます。そして子どもは成長と共に不安を感じなくなり、母親から離れても平気なようになります。母子分離不安は3歳頃までは発達において起こりえる自然現象とされています。
しかし、ある程度の年齢になってからの母子分離不安はストレスが原因で起こる場合が多く、十分に気を付ける必要があります。子どもが何かしらのストレスやトラブルを抱えている事が考えられます。その際に、最も愛情を欲している母親から強く非難されると子どもは傷つき、信頼関係を壊してしまう恐れさえあります。子どもが心を開かなくなり、非行に繋がる可能性もあります。人は誰でも愛情のコップを持っています。そのコップに愛情を常に満たしてあげる事を心がけましょう。
では、その母子分離不安を引き起こす要因を考えていきましょう。
3歳頃までの母子分離不安は、子ども特有の性質であり、これはいわば自己防衛本能です。はじめは母親と離れる度に泣いていた子どもが次第に泣かなくなります。
一時的に母親と離れたとしても、不安に感じる必要がないと気づき、自然と落ち着くことが出来るようになります。子どもの不安な気持ちを受け止め、丁寧に関わりを持つことが大切になります。また、新しい環境に不安を感じ周囲の環境に馴染めずにいる、弟や妹が生まれその子に親がかかりきりになってしまい親を取られた気持ちになるなど、親が子どもの気持ちに気付きにくい事も多いのです。
母子分離不安を疑う子どもの姿として、母親に対し依存的な態度を取るようになる(くっついて離れようとしない)、寝つきが悪くなる、一人を嫌がるようになるなど、このような姿が見られた時には注意深く子どもを観察してみましょう。
例えば、今まで一人で出来ていた事が母親と一緒じゃないと出来なくなった。今まで一人でぐっすりと寝ていた子が寝つきに時間がかかり、部屋が真っ暗になることを嫌がるようになった。今まで一人で遊びに行っていた子が出かける事を嫌がるなど何かしら行動に現れる事があります。また、極度のストレスがかかると体に不調が現れることも珍しくありません。よくあるケースでは、保育園・幼稚園などに行く時間になると頭痛や腹痛などの体調不良を訴える子どもがいます。仮病の類も考えられますが、母親から離れる不安を感じそれが体調の変化として見られることもあるのです。
一番はとにかく子どもと関わる時間を作ってあげましょう。5分でもいいのです!!
大切なのは時間の長さではなく、関わりの深さなのです。子どもは母親の事が大好きです。その不安な気持ちを少しでもなくす手だてが必要となります。
不安になる気持ちの一番の原因はストレスや愛情不足だと考えられます。子どもとの時間を大切にし、しっかりコミュニケーションやスキンシップをとってください。子どもの話を聞いてあげてください。子どもを抱きしめてください。親からの深い愛情を感じると子どもたちの不安は次第に和らいでいきます。親子の時間を短くても良いので毎日しっかりと取って、お互いにじっくりと向き合えるような機会を増やしましょう。
また、3歳頃までの子どもは段階的に母親から離れる練習をすることも効果的と言えます。まずは見える位置からはじめ次第に離れる距離や時間を長くしていきます。その際には、ただ黙って離れるのではなく、「すぐに戻ってくるからね」などといった安心できる言葉かけが大切となります。
そして、その言葉の約束をしっかりと守りましょう。日々の生活の中でそのような信頼関係作りを繰り返し行うことで、子どもは「お母さんは約束を守ってくれる」と感じ、安心して離れられるようになります。安心できる言葉がけは難しいことではありません。「離れていても私はちゃんとあなたを見ているよ」という気持ちをしっかりと子どもに伝えてあげるだけでいいのです。
冒頭にも述べたように、優しく関わるのか、叱って学校に連れて行くのか、それを決めるのはあなた自身です。子どもはいつだってお母さんを信じています。子どもの気持ちに寄り添い、子どもの思いを受け止めてあげてくださいね。