2021.08.10 (火) コラム
コロナ禍での子育てどうしてる?一人で悩まないで!!
新型コロナウイルスの感染者が急増するなか、ついに沖縄でも那覇市や浦添市など少なくとも沖縄県内7市が8月7日までに、保育園の保護者に対して登園自粛を求める方針を決めた。
全国でも多くの保育園や幼稚園が休園したり登園自粛を要請したりしている。
突然、子どもの預け先を失い、思うように働けなくなった保護者も少なくない。多くの保護者が子育てなどの悩みを相談できず、不安や孤独感を募らせている。
特に、3歳未満の小さい子どもをもつ世帯でのストレス度合いが高く、子どもと一緒にいることが辛く、産んだことを後悔していると相談してくる保護者もいる。なぜなら、まだ子育てに慣れていないために不安が重なっているからである。
早急な子育て支援が必要であることは言うまでもない。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て家庭を支えるため、自治体や民間等ではどのような支援が行われているのだろうか。
コロナ禍で子育てに悩んでいる方にはぜひ知ってもらいたい内容となる。
新型コロナウイルスが流行する以前から、核家族化の進行や地域における地縁的なつながりの希薄化などを背景に,子どもにどのようにかかわっていけばよいか分からず悩み,孤立感を募らせ,情緒が不安定になっている保護者が増えていた。
また,経済状況が厳しいこと等を背景に働く女性が増え、仕事と努力してもなかなか思うようにはならないことが多い子育てを両立させることは困難な体験であり,子育ての喜びや生きがいを感じる前に,ストレスばかりを感じてしまう保護者も多かった。
そのような子育て状況の中…
新型コロナウイルスによる更なる大きな不安や恐怖が子育て世帯を襲ってきたのである。
筆者が子どもを預けている幼稚園からも、8月に入り、園児受け入れ可能な状況の日まで休園するという知らせが届いた。
預かり保育に関しても受け入れ対象児童は
(1)医療など社会生活(警察、消防等)の維持に必要な業務の従事者
(2)社会福祉施設等の従事者
(3)やむを得ない事情のある人
※やむを得ない事情とは、休むことにより著しく収入が減少する場合を想定
とし、縮小した保育を行っている。
休園や登園自粛時に子どもの世話をしている方は母親が主となっており、他には父親、祖父母が多く、中にはベビーシッターやファミリーサポートを利用している世帯もある。
ひとり親や近くに親戚がいない共働き世帯にとっては預け先がなく、会社を休むことになり、会社からの保障もなく生活が苦しくなっている世帯もある。会社を休むことが出来ないと子どもが一人で留守番をしている状況すらある。
また、長期間の休園に対応する為に有償サービスを利用し、高額な出費になっている世帯もある。
このような状況はこれまでも問題とされている少子化をさらに加速させている。2021年の出生数は80万人割れの見通しである。新型コロナウイルスの影響が出始めた頃から婚姻数も妊娠届提出数も減少している。
政府が4年前に公表した人口推計と比べると早いスピードで少子化が加速しており、政府の推計より10年以上も早いペースで少子化が進む恐れがあるのだ。
少子化が進むことにより生じる社会的問題はかなり深刻となるので、早急な対応が必要となる。
また、「小児のコロナウイルス感染症2019(COVID-19)に関する医学的知見の現状」日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会2020年11月11日第2報でも
教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身に影響を及ぼしている
として、以下のことを記している。
・学校閉鎖は、単に子どもの教育の機会を奪うだけではなく、屋外活動や社会的交流が減少することとも相まって、子どもを抑うつ傾向に陥らせている。
・療育施設では密な環境でのケアが避けられないため、COVID-19が発生すると施設内に蔓延しやすい。一方、療育施設の閉鎖により受け入れが困難になった医療的ケア児への対応が世界的に求められている。
・就業や外出の制限のために親子とも自宅に引き籠るようになって、ストレスが高まることから家庭内暴力や子ども虐待のリスクが増すことが危惧されている。加えて、対応する福祉施設職員が通常通り就業できない状況が虐待増加に拍車をかけている。
・乳幼児健診の受診が減少し、子どもの心身の健康上の問題を早期に発見し介入することが制限され、大きな健康被害やQOLの低下に繋がることも危惧されている。
・予防接種の機会を失う小児が増えている事も大きな問題となっている。世界的にも1億2千万人近い子ども達が麻疹ワクチンの接種を受けることができない状況が危惧されている。ワクチンで予防可能な疾患に罹患してしまうことによる被害は甚大となる。
以下の図の通り、
子どもでは、新型コロナウイルスが直接もたらす影響よりも関連健康被害の方が大きくなることが予想されるのである。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て家庭を支えるために自治体や民間等で様々な支援が行われている。
厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、国民の生活を支えるための各種手当てや助成金などの支援策をわかりやすくまとめたリーフレット「生活を支えるための支援のご案内」を作成している。リーフレットにはお金(生活費や事業資金)に困っているときの支援や小学校等の臨時休業等に伴い子どもの世話が必要なときの支援等が紹介されている。
子育ての悩みについての「相談」は、どの自治体も電話などでどこも継続して対応している。
オンライン保育の利用もおススメであり、近年利用者が増えている。オンライン保育とは、ZOOMのようなビデオ会議のツールを利用することで、保育士が遠隔で、絵本の読み聞かせや歌や踊りを提供する保育のことである。
民間の子ども向け動画配信サービスも、続々と出てきている。
琉球リハビリテーション学院こどもリハビリテーション学科では保育士を養成している。
保育士とは、国家資格である保育士資格を有し、保育士の名称を用いて、専門的知識と技術をもって乳幼児の保育および保護者に対する指導を行う者のことであり、子どもだけでなく保護者支援も保育士の役割としている。
保育士を夢見る学生と共に、コロナ禍で私たちが出来る子育て世帯に対する支援を考え、提供していきたいと考える。