2022.03.30 (水) コラム
入学式・卒業式の起源と現在の式典について
3月も終わりを迎えようとしています。あらゆる活動が新しいステージを選択し、
それぞれに変化を遂げていく時期ですね。そんな時期に、学校では「入学式や卒業式」が挙行されます。
皆さんもご経験あると思います。今日はそんなこの時期の式典の起源について少々書かせていただきます。
まず卒業式はウィキペディアによれば、『日本では1872年(明治5年)の学制の施行にともない、
各学級(学年)ごとに試験修了者に対して卒業証書を授与したことに起源を持つ。
その後、明治10年代ごろ(1870年代半ばから1880年代にかけて)
に現在のような独立した儀式として定着した。』とあります。では入学式はどうでしょうか。
実は昔は入学式という式典はなかったそうです。正確に言うと「できなかった」。
その理由は、現在のように、1年生、2年生、3年生・・・
というような学年学級ではなく、就学を希望する子供達には年齢に関係なくまず「下等小学第八級」に入り、
試験に合格してその級を「卒業」七級に進級するというシステムだったようです。
つまり進級が卒業だったのです。しかも進級テストは半年単位でした。
そのようなことから「入学を一斉に行う」ということができなかったのですね。
私たち教育機関の事務は入学式・卒業式の準備をし滞りなく主役である学生さんが
参加できるようにすることが大きな役目です。
特に卒業式は、これからを共にする入学式ではなく、苦楽を共にした仲間とのしばしの別れの式典であるため、
皆さんの心にも大きく残っているのではないでしょうか。
そんな卒業式の中身を、基本例として見てまいりましょう。
以下はあくまでも基本例であり実際の形式等については学校によって異なります。
1.卒業生入場
学級担任教諭が卒業生を先導する。小中学校では1クラスずつ男女で2列を成して入場することが多いが、
主に高等学校では学級担任の手によって証書授与を受けることも多いため、2クラス同時に1列ずつ成して入場することもある。
なお、大学等の高等教育機関(以下「大学等」)では式次第としては行なわれない(後述の「卒業生退場」も同様)。
2.開式の辞(開式の言葉)
司会者により開式宣言が行なわれる。
3.卒業証書授与
卒業証書授与は校長(幼稚園・保育園の場合は園長、大学の場合は学長・総長。
以下まとめて「校長等」と称する)によって行なわれる。
校長等の脇には教頭や卒業生の学年主任、幼稚園・保育園などの場合は担任教員などの教員がつく。
なお授与の際、教員は卒業生にねぎらいの言葉を掛ける場合もある。ただし、学年の規模や校風による。
4.式辞(「学校長式辞」など)
校長等により行なわれる。「告辞」と称する場合もある。また私立学校においては、学校法人理事長による式辞も行なわれる。
5.来賓祝辞
教育関係者など、列席の来賓により行なわれる。
都道府県立高等学校の場合は知事祝辞が必ずあるが年度末で定例議会開会中であり、
また知事が全ての高校へ出席するのは時間的に不可能のため、副知事が出席代読する例が非常に多い。
6.来賓紹介
上記の者を含む、列席の来賓を紹介する。
7.祝電披露
上記以外の者からの祝電を発表する。
8.記念品贈呈
卒業生が母校に遺す記念品の紹介。
9.送辞・答辞/卒業の言葉
基本的に、「送辞」は在校生代表が卒業生へ向けて、また「答辞」は卒業生代表が校長等へ向けて発言する。
送辞・答辞共に内容は基本パターンがあり、発言者生徒が教師の助言を受けて自分達の環境に合わせて加筆することが多い。
なお小学校などにおいては「卒業の言葉」と称し、在校生・卒業生による対面式になる場合が多い。
一方で、学校によっては送辞がなく答辞のみの所があるほか、送辞・答辞ともに行なわれない所もある。
10.謝辞
保護者代表により行なわれる。
11.式歌(卒業歌)
旅立ちの日に、仰げば尊し、蛍の光、未来へ、旅立ちの時〜Asian Dream Song〜、手紙など。
小学校の場合は上記の「卒業の言葉」の合間に歌われることが多い。
なお、学校によっては卒業歌自体が歌われない所もある。
12.校歌斉唱
学校によっては国歌斉唱のあとに斉唱する所もある。
13.閉式の辞(閉式の言葉)
司会者により閉式宣言が行なわれる。
14.卒業生退場
担任教諭が先導。入場と同様であることが多い。大学等では式次第としては行なわれない。
以上の内容が基本的な卒業式の流れです。
では、なぜこのような内容を書いたかです。
昨今は、全世界レベルで「コロナ禍」です。まだまだ、収束の目途は立っておりません。
卒業式や入学式は、いわゆる「3密」といわれる状況を作り出すことから、
中止を余儀なくされるケースも多く見受けられます。学生たちにとっては、また、その保護者様、関係者様にとっては悲しい現状です。
ですので、各教育機関で創意工夫をし、「コロナ禍」でも学生たちはじめ
関係者皆さんが満足できる内容を学校単位で行っております。
琉球リハビリテーション学院は、「オンラインライブ配信」を行いました。
大きな画面で観覧いただくよう、校舎の一部を開放して行っております。まるで、一緒に参加しているかのように感じていただくために。
しかし、「コロナ禍」が終息し、安心安全に従来の式典に戻ることが一番ですから、
その日が来ることを願いながら、教育機関としてできることを、学生さんが輝く日のために、今後も研究を続けたいと思います。