2021.11.17 (水) コラム
季節の変わり目、知っておきたい秋の天気
皆さんこんにちは!こどもリハビリテーション学科海洋コース担当です。
11月に入り、今年も残り2カ月を切りました。
私自身は毎年この季節になると「一年はあっという間だな」と感じるのですが、皆さんはいかがでしょうか?
基本的に「9月~11月」の期間を「秋」と言いますが、沖縄では11月に入りようやく暑さも和らぎ、過ごし易い秋だなと思える日々が始まりました。
ただ日本列島は縦長なので、11月は冬に入るという場所もあるかもしれませんね。
そんな日本の四季の一つである「秋」
今回はその「秋」の天気について、月別にお話していきたいと思います。
まず「9月」です。
実は秋の天気の一つとも言えるのが「台風」です。
台風と言えば「夏」を思い浮かべる方も多いと思いますが、夏の終わりから「秋の始め」である8月~9月に多くやって来るという特徴があります。
しかも意外と知られていませんが、日本列島に大きな被害をもたらす台風は秋に多く来ている事が多いのです!!
過去には、1945年9月に鹿児島県で起きた総死者数2,473名、行方不明者1,283名、負傷者2,452名、最大風速50mの「枕崎台風」や
1959年9月に愛知県・三重県で起きた死者数4,697名、行方不明者401名、負傷者38,921名、最大風速75mの「伊勢湾台風」などがあります。(Wikipedia参照)
なぜ台風が秋に上陸しやすいのか?
夏には、本州を覆う「太平洋高気圧」が南から上がってくる台風を押し留めていました。
しかし、秋になるにつれ太平洋高気圧の勢力が弱まり衰えるため、その太平洋高気圧の縁をまわることができ、本州に台風が上陸しやすくなるのです。
そのため、被害の大きな台風は9月に多くなる印象が強くなります。
また9月に多く、秋の代名詞の一つとしてあるのが「秋雨前線」です。
前線がある場所では、晴れていたのに急に雨が降り出したり、梅雨でもないのになぜか長雨が続いたりするなどの気象現象が起こります。
9月には本州の南側に温かく湿った空気を持つ太平洋高気圧が停滞し、大陸側から乾燥し冷たい空気を持つシベリア気団が張り出して来ます。
その境目となる場所では空気のぶつかり合いが起こり、前線が発生します。
それが「秋雨前線」です。
そんな不安定な天気を繰り返していくといつの間にか涼しくカラリとした風が吹く時期になります。
そのカラリとした風が吹くのが「10月」の天気の特徴となります。
10月の天気の特徴はズバリ「秋晴れ」
まさしく「スポーツの秋」、「食欲の秋」、「行楽の秋」の到来となります。
この頃には「大陸からの移動性高気圧」が張り出し、水分を含んでいない乾燥した空気が流れてくるため、本州全体でカラリと晴れる天気が続きます。
そのため、運動会やスポーツイベント等を開催する時期としてうってつけとなります。
「食欲の秋」と形容される様にいろいろな農産物(サツマイモ、栗、梨等)や魚介等(サンマ、鮭等)がおいしくなり、収穫や解禁を迎える時期となります。
また、適度な寒さも加わり、焼き芋やサンマの塩焼きなどの焼き物、肉まん、あんまん等の蒸し物などあったかい食べ物が美味しく、ついつい食べ過ぎてしまう時期でもあります。
この時期に気を付けないといけないのが、空気の乾燥と昼間と夜間の気温差となります。
好天が続く事により起こる放射冷却や上記にもある大陸からの移動性高気圧は、空気が冷たく乾いているのが特徴となります。
そのため、火気を取り扱う際には注意が必要となります。
また沖縄ではあまりないのですが、県外の方だと秋の花粉シーズンに入る所も多いようです。
花粉と言うと春のイメージが強いかと思いますが、秋の花粉症は「ヨモギ」や「ブタクサ」等の草花が花粉症の原因となるようです。
ただし、草花で起こる花粉症はスギ花粉等と比べ花粉の散る範囲は狭いので、近寄りすぎない等の対策をするだけで予防又は軽減できるようです。
症状は通常の花粉症と同じくしゃみ、鼻水、目のかゆみ等があります。風邪かな?と感じた症状が長く続いた際は、花粉症を疑うと良いかも知れませんね。
「11月」には「霜月」等の名前があるように、寒さで「霜が降りる」場所も出てきます。
沖縄では霜が降りる事はありません。
秋の特に冷えた日の早朝、*放射冷却により地面の温度は空気中より2~3度低くなります。
そしてそのまま氷点下になる事があり、それが地中の水分を結晶化させ霜となるのです。
*高温の物体が熱を外に放射して冷える現象
10月終わり~11月始め頃には「木枯し1号」という風が吹きます。
「木枯し1号は」関東、関西のみで報告される気象庁が観測発表している風の一つです。
木枯し1号も春一番などと同様にいくつかの決まった定義があり、それを基に観測、発表が行われています。
この「木枯し1号」は本格的な冬が始まる前ぶれであり、徐々に寒さが増していくのでしっかり寒さ対策を行う必要があります。
また、日本海側や北日本では天気の崩れる日が続き、雨から雪になる日も出てきます。
その後本格的な冬を迎え行く流れとなります。
ちなみに皆さんは「小春日和」と言う言葉を聞いた事があるでしょうか?
この時期に「移動性高気圧」に覆われることで天気が晴れ、穏やかで暖かな日になることがあります。
これを春の様な暖かくホッとする様な日であると言う事から「小春日和」と表現されます。
この様に寒い日と温かい日を繰り返しながら徐々に冬へと向かっていきます。
私の住んでいる沖縄でも、ようやく秋らしく涼しい日が続くようになっているので、もうじき
冬の足音も聞こえてきそうです。
海をメインフィールドとしている当コースとしては、体調管理も含めて大変な季節に入りますが、
冬の海には冬の海でしか見えない光景、出会えない生き物も沢山いるので、それらの出会いを楽しみにしています。
これからは屋内、野外での寒暖の差が大きくなる季節です。
皆さんも体調管理に気を付けて、今年も最後まで元気に過ごしてもらえたらと思います。