2021.06.25 (金) コラム
理学療法士の将来
今日のテーマは、「理学療法士の将来」について説明をしていきます。その前に簡単に那覇校の説明をいたします。
琉球リハビリテーション学院那覇校は、2020年4月に開校しました。ゆいレール安里駅徒歩3分の場所に位置し、国道330号安里十字路の角という那覇の中心地に立っています(細長いビルです)。また、隣にはものすごく大きいリゾートホテルが今年の7月オープンとなりますのでホテルを目印にするとわかりやすいでしょう。
立地としては利便性の良い場所といえるでしょう。また、内部を見ていただきますと、最新の機材を取りそろえておりますのでオープンキャンパスなどで内覧をしていただき、機材に触れていただきたいと思っています。
それでは、理学療法士(以後PT)の仕事とそのやりがいについて説明します。PTはケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職といわれています。
仕事の内容は、理学療法士が患者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に観察し、それぞれの患者様の目標に向けて適切なプログラムを立案しリハビリを実施します。
理学療法士は動作に関するプロフェッショナルです。寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作を観察しその人に合った動作を指導していきます。例えば、関節可動域(関節の動く範囲)の拡大、筋力強化、麻痺(しびれなど、また自分の意志で動かなくなること)の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術や機器を用いて、日常生活の自立を目指します。
医療系の国家資格の一つである理学療法士は、就職率や学生からの人気もいつも上位に挙がっています。今回は理学療法士としての就職状況や今後理学療法士の職域はどのような方向に進んでいくのかを想像も含めて話をしたいと思います。
日本では、毎年1万人前後の理学療法士が誕生しています。現在、日本理学療法士協会に所属する理学療法士の人数は、増加傾向であり、現在は12万人を超えています。このことからも、将来理学療法士の就職先は減少していくのではないかと心配する声も聞こえてきます。本当に理学療法士の就職先は減少していくのでしょうか。
心配される一方で、20代で就業した理学療法士の就業率は、約90%以上となっています。理学療法士の雇用状況は比較的安定していると言えます。しかし、理学療法士の人数が増えれば、自分が希望する施設への入職は、競争率が上がることで難しくなると思われます。
現在の日本の65歳以上の高齢者は、3617万人で、総人口に占める割合は28.7%※(厚生労働省統計2020年)といわれ、医療や介護の必要な人は今後も増加していくとみられています。その分野における理学療法士の働きの場は一層高まると思われます。
また、年々理学療法対象の患者さんの合併症状として内部疾患が取り上げられています。心臓病や肺疾患などの既往歴のある患者さんが脳卒中や骨折などで入院をされるケースです。今後理学療法士としてさまざまな患者様に取り組んでいくことに関して、理学療法士としての知識や質を高めることが重要となるでしょう。こういった分析や診断の一部は、AIが担っていくことになる可能性が高いでしょう。またリハビリの分野においても診断や姿勢分析、歩行分析、治療方針の決定などは、AIができるようになるかもしれません。筋力強化機械などはもうすでにAI化が進んでいると聞きます。
現在AI(人工知能)の活用がどの分野の企業でも不可欠であると考えられています。
国立国際医療研究センター(東京新宿)では生活習慣病の将来発症リスクを予測しスコア化する予測モデルに取り掛かっていると言われています。
しかし、みなさんが想像するように、AIやロボットがすべて人間の仕事をできるとは考えにくいでしょう。それは、人と人との触れ合いやコミュニケーションの奥深さが問われるからだと言えます。AIやロボットといった技術が発展しても、人間の手による理学療法士によるリハビリや医療、特に患者さんと直接触れ合うことが必要とされ続けます。手のぬくもりや会話は、完全に機械に置き換えることはむずしいからです。
今後、AIを作り上げていくための知識や経験も理学療法士が担うことになるかもしれません。運動学や力学の知識を生かした医療機器開発はこれからの理学療法士にとって広がりのある職域になっていくのではないでしょうか。
琉球リハビリテーション学院那覇校では、現在の医療現場で使用されている最新の医療機器を学びつつ、人と人とのコミュニケーションに必要な技術もできる限り取り入れていきたいと考えております。是非一緒に理学療法士の勉強をしませんか。理学療法士の未来を皆さんの力で切り開いていける力を育てるサポートを全力でしていきます。
教員一同お待ちしております。