2022.01.11 (火) コラム
理学療法士の関わる日常生活支援について
2022年もスタートし、寒い日々は続いていますね。
年末年始でリフレッシュし、元気いっぱいな理学療法学科です。
理学療法学科では理学療法士になりたい!と将来の夢に向かって仲間で切磋琢磨し、学生のみなさんは学校生活を充実させながら頑張っています。その中でもどうして理学療法士という仕事を知りましたか?という質問に対して、学生時代の部活動でのケガをきっかけにお世話になった経験があるとよくお聞きします。
ケガや病気で関わったことのあるという人は知っている方も多いかと思いますが、健康な人は理学療法士を聞いたことあるけど、具体的にイメージできない、もしくは知らない人もまだまだいると思います。
今回は、理学療法士が関わる日常生活の支援について紹介していきます。
その前に、、、理学療法士とは?!というところから興味を持っていただけると幸いです。
理学療法士とは???
理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。理学療法士は国家資格であり、免許を持った人でなければ名乗ることができません。理学療法士免許を取得した後は、主に病院、クリニック、介護保険関連施設などで働いています。
ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法を用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
「人の役に立ちたい!」
「手に職をつけたい!」
「1人1人に寄り添いたい!」
このように考えたことのある人にとって、とても最適な仕事だと感じております。
治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを提供していきます。
みなさんは朝起きてはじめに何をしますか?
食事や歯磨き、お手洗いなどからそれぞれの1日の生活の始まりです。
みなさんそれぞれの生活スタイルがあると思います。
なぜ日常生活の支援が必要なの???
リハビリテーションでは身体の機能向上だけではなく精神的にもダメージを抱えている方も含めて理学療法士が支援をして寄り添って訓練を行っていきます。自宅復帰を目指してベッドから離れることから始まり、そこから歩行訓練や生活訓練などのリハビリテーションを提供していきます。
リハビリ訓練中で出来るようになったことを普段の生活の中でも出来るようにそれぞれの目標を一緒に共有して訓練していくことが日々の励みになります。
その目標や訓練内容に関しては本人のQOL(生活の質)をどのように上げていくのか、本人の家族はどう過ごせれば不安なく生活を維持できるのかを常に考えながら関わる必要があります。
出来ることが増えて自宅復帰をできたとしても、起床から就寝までの時間を細かく把握してなるべくそれに近い生活の自立度を獲得して維持していくことも大きな課題になってきます。
ケガや病気についてはさまざまで動かしにくい、歩きにくいなどいろいろな症状を抱えて病院に来られる方がほとんどです。身体の仕組みや動かし方を知っているからこそ、病院でのリハビリだけではなく生活指導のアドバイスがそれぞれのライフスタイルに合わせて活かせます。
今後の理学療法士に期待されることとは??
日本は超高齢化社会となり、国の医療費・介護費は年々増加しています。国が対策を行なうこともそうですが、医療職の一員として理学療法士に期待される役割があります。
医療機関で働く理学療法士に期待されるのは、急性期リハビリテーション病院や回復期リハビリテーション病院によって患者さんを早期に在宅復帰、社会復帰させることです。入院期間を短縮することで「早くお家に帰りたい」という患者さんの希望や「早めに家族との時間を過ごさせてあげたい」といった家族の希望が叶えられます。早期の在宅復帰は患者さん・家族に対するモチベーション向上にもなります。また国の医療費を大幅に軽減することが出来ます。
また介護分野の理学療法士に期待されるのは、維持期リハビリテーションによって高齢者ができるだけ自宅で生活できるようにサポートすることです。医療機関での入院のみではなく、今後は在宅医療や在宅介護をしなければならない家庭が増えます。通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションなどの方法で高齢者の介護予防や介護者の負担軽減を行い、自宅での安全な生活の維持を出来るよう予防の観点から在宅介護を支えていくことが求められます。
病気やケガなどが原因で体に障がいが残った場合、リハビリテーションの専門職は機能回復と日常生活に必要な生活技能の修得を支援します。もちろん病院で行われる医学的なリハビリテーションは重要ですが、治すこと、自立した生活を送ることだけがリハビリテーションの本質ではありません。日常生活の支援を受けながらも「自分らしく生きる」をモットーに人に寄り添えることがリハビリテーションの醍醐味で理学療法士の特権なのです。